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VOICEVOXで歌わせることはできるの?基本の考え方
VOICEVOXは、無料で高品質な日本語音声を合成できる人気のAIツールです。多くの人が動画制作やナレーション、読み上げなどに活用していますが、「歌わせることはできるの?」と疑問に思う方も少なくありません。ここでは、VOICEVOXと歌声AIの違いや、歌わせたいときの工夫、そして他のおすすめツールについて詳しく解説します。
VOICEVOXは「話す」ことに特化したツール
VOICEVOXは、自然な日本語のイントネーションや抑揚を持った「話し声」の生成に特化しています。YouTubeナレーション、教育動画、読み上げBotなど幅広いシーンで活躍していますが、本来は歌唱用に設計されたツールではありません。
VOICEVOXの基本機能や特徴については、VOICEVOXアプリの便利な使い方|動画制作・TTSとしての活用法の記事でも詳しく紹介しています。
歌わせるAIとの違い(NEUTRINOやSynthesizer Vとの比較)
歌声合成AI(ボーカロイド、NEUTRINO、Synthesizer Vなど)は、楽譜やMIDIデータをもとに「歌声」を生成します。ピッチやビブラート、リズム、音程変化まで細かく制御できるのが特徴です。一方、VOICEVOXは「文章を自然に話す」ための設計で、音楽的なメロディや持続的な音程のコントロールはできません。この点が最大の違いです。
なぜVOICEVOXは歌向きではないのか
VOICEVOXではピッチやイントネーションの調整が可能ですが、あくまで「話し言葉」としての表現が中心です。
音程やリズムを細かく割り当てたり、楽譜どおりに歌詞を当てはめたりすることは難しく、本格的な歌声表現は苦手といえます。
歌声合成AIのような「音楽データとしての細かな制御機能」がないため、楽曲制作には限界があります。
VOICEVOXの仕組みや調整機能について詳しく知りたい方は、VOICEVOXアプリの使い方まとめも参考にしてください。
それでも試してみたい!歌声っぽくする工夫

VOICEVOXは歌唱AIではありませんが、工夫次第で「歌っているように聞こえる」音声を作ることも可能です。特に実験や遊びとしてチャレンジしたい方は、次のような方法を試してみてください。
ピッチやスピードを細かく調整してメロディ風に
VOICEVOXには、話速やピッチ(音程)、イントネーションなどを個別に調整できる機能があります。短いフレーズごとに音程を変えたり、リズムを工夫することで、メロディに近い音声表現を作り出すことができます。たとえば、「ド・レ・ミ」といった単音ごとにテキスト入力し、それぞれの音に合わせてピッチを調整すれば、簡単なメロディラインを再現することが可能です。
短いフレーズを繋げて歌のように聴かせる方法
文章を一音または二音ずつ細かく区切り、それぞれを異なるピッチや話速で調整してから音声を生成し、最終的に編集ソフトなどで繋げて再生する方法です。
この手法では歌のサビや印象的なフレーズを擬似的に再現でき、声のリズムや強弱も手作業で調整できます。根気が必要ですが、遊び感覚で「歌っているっぽい」VOICEVOX音声を作ることができます。
楽譜やメロディに合わせた音声生成のやり方(疑似対応)
本格的な歌唱はできませんが、楽譜やメロディに合わせて一音ずつテキストを入力し、ピッチやイントネーションを細かく設定することで、よりメロディアスな音声を作成できます。出来上がった複数の音声ファイルを、DAWや動画編集ソフトで連結・ミックスすることで、簡易的な「歌声合成」のような仕上がりを目指せます。
VOICEVOXの細かな設定方法や音声調整テクニックについては、VOICEVOXのアクセント・イントネーション調整方法の記事でも詳しく解説しています。
しかし自然な感じで歌わせるという趣旨ではちょっと難しいと思われます。。
歌わせたいなら代替ツールを検討しよう
もし本格的に歌を作りたい、音楽コンテンツを制作したい場合は、歌声合成AI(ボーカロイド系)を使うのが圧倒的におすすめです。ここでは主な人気ツールを紹介します。
NEUTRINO:無料で使える国産の歌声合成ソフト
NEUTRINOは、無料で使える国産の歌声合成AIです。楽譜や歌詞データを入力するだけで、ナチュラルな日本語歌声を高精度に合成できます。DTM初心者にも扱いやすく、サンプル音声や解説も充実しています。
Synthesizer V:商用利用可能な高品質ボーカルAI
Synthesizer Vは、商用利用も可能な高品質ボーカルAIソフトです。多様なボイスバンク(歌声ライブラリ)が用意され、ピッチや発音の微調整、表現力豊かなビブラート・グリッサンドも細かく制御できます。プロも愛用するツールです。
他の歌声合成ツールとの違いと選び方のポイント
各歌声合成AIごとに声質や編集機能、価格、商用利用の可否など特徴があります。自身の目的や予算、表現したい楽曲ジャンルに合わせて最適なツールを選びましょう。
VOICEVOX音声を歌動画に活用する方法
VOICEVOXは歌唱には不向きですが、工夫しだいで「歌動画」や創作コンテンツでも活用できます。
ナレーション+字幕でリズミカルに見せる演出例
歌パートそのものは歌声合成AIに任せつつ、イントロや間奏、エンディング部分にVOICEVOXのキャラクターボイスでナレーションを入れ、字幕や画面演出でリズム感を持たせることで、作品全体にストーリー性や個性をプラスできます。
歌の前後にキャラクター音声を使う手法
楽曲の前後や間奏部分でVOICEVOXのキャラクター音声を使用し、歌やセリフ、物語要素を付け加えることで、動画に起承転結や世界観を与えることができます。VTuber動画や創作ドラマ、MV制作などでもよく使われる手法です。
VTuberや音声劇との組み合わせ事例
VTuber動画や音声劇の制作現場では、キャラクターのセリフやナレーションをVOICEVOXで生成し、歌唱部分だけ歌声合成AIを活用する事例が増えています。セリフ・歌・演出をうまく組み合わせることで、多彩なエンタメ作品を作り出せます。
VOICEVOXの動画活用事例や演出のコツは、VOICEVOXで広がる音声制作の世界の記事でも紹介しています。
まとめ|VOICEVOXでできること・できないことを正しく理解しよう
VOICEVOXは「話す」ためのAIとして圧倒的な使いやすさと表現力を持っていますが、歌わせることは本来の用途ではありません。
本格的な歌声合成や音楽制作には、NEUTRINOやSynthesizer Vといった歌声合成AIとの併用がベストです。一方で、VOICEVOXの強みは創作やナレーション、掛け合い、音声素材制作に活かすことができ、創作活動の幅を大きく広げてくれます。
あくまでVOICEVOXは「話すため」のAIとして活用しつつ、必要に応じて音楽系AIツールと組み合わせて使うのが、クリエイターにとって最適な選択肢です。
工夫しだいで動画・音声作品の表現力を高めることができるので、自分の目的や制作物に合わせて最適なツールを選びましょう。
VOICEVOXの基本や活用アイデアについてさらに知りたい方は、VOICEVOXアプリの便利な使い方やVOICEVOXアプリの使い方まとめもぜひご覧ください。